2014年2月16日日曜日

年間第6主日 - 山上の説教 -

祐川神父様のお説教の一部をご紹介します。


今日の福音朗読は、マタイ福音書の5章から7章にわたる「山上の説教」の中でも長いパートで、非常に厳しい内容となっています。モーセがシナイ山で神から十戒を授けられたように、イエスは山上で新しい”十戒”を示しました。モーセの十戒は非常に細かく規定された律法で、現実的に実行することは大変難しい内容です。イエスが山上で話された説教には、この律法を「神の言葉の原点に立ち返り完成させる」という意味が込められています。
山上の説教に、「敵を愛する」という教えがありますが、実行することはとても難しい、何故イエスは出来ないようなことを言ったのか?ここには、敵といえども人間として大事にしなさい、という意味が込めれています。そして、今すぐに実行することは難しいかもしれないが、確実にそちらの方向に進み律法を完成させるという意思が込めれています。
1936年に行われたベルリンオリンピックは、ドイツの宰相ヒトラーが白人種の優越性を証明することを望んだ大会でしたが、そんな中、アメリカ代表の黒人選手ジェシー・オーエンスは大活躍します。走り幅跳びでは優勝候補でありながら、予選で2回続けてファールを犯しピンチに陥ったとき、敵であるドイツ人選手ルッツ・ロングにアドバイスを受け、世界記録を出して金メダルを取ったという有名な逸話があります。
また、敵に塩を送った上杉謙信の話。宮沢賢治の「雨にも負けず」の一節にある「北に喧嘩や訴訟があればつまらないからやめろといい」という言葉。アシジのフランシスコの平和の祈りの中の一節、「憎しみのあるところに、愛を、争いのあるところに、和解を」。これらの行いや言葉は、私たちにイエスの教えを喚起させてくれます。

【お知らせ】
札幌教区司祭の人事異動が発表されました(4月21日付け)。
祐川神父様が、当教会(北一条教会)主任司祭の任を解かれ、
代わって、後藤義信神父様(宮前教会・江差教会主任司祭)が主任司祭として来られることになりました。
祐川神父様は、昨年7月に当教会の主任司祭に就任されたばかりで、1年にも満たない在任期間でしたが、お説教をとおして私たちをお導きくださいました。
4月21日付け異動ですので、まだ2ヶ月間は在任されますが、今月末から3月半ばまでフィリピンへ行かれ、その後もいろいろとご予定が入っているようですので、今後お会いできる機会が限られるようです。歓迎会も開いていなかったので、何とか送別会は行いたいのですが・・・。

3月の主日ミサの予定は下記となっています。

3月2日(日):森田神父様
3月9日(日):ケン・スレイマン神父様
3月16日(日):富来神父様
3月23日(日):新海神父様(ミサ後、四旬節講話)